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第8回教育デザインフォーラムが開催されました

第8回教育デザインフォ-ラムを開催

いじめ問題に対する実践的課題発見と解決策への道筋に成果


2月16日土曜(13:00~17:00)、横浜国立大学教育デザイン研究会主催、第8回教育デザインフォーラム「いじめ問題を考える―解決の方策を求めて―」が、教育人間科学部6-101教室にて開催されました。講演者・コメンテーターに、いじめ問題のスペシャリストをお招きし、最新のいじめ問題に関して様々な角度から考える、充実した4時間となりました。

前半では国立教育政策研究所生徒指導・進路指導研究センター総括研究官の滝充先生による「いじめ問題の原点を振り返る」の講演がありました。いじめの国際比較調査や国内の6年間にわたる追跡調査など豊富なデータを踏まえ、小学生から中学生へと至る6年間を通して、何らかの形でいじめをした・された経験のある生徒は全体の約85%を占めます。いじめは誰にでもどこでも起こる日常茶飯事であること、それを深刻化させるか否か、未然に防ぐところに教師力の発揮が是非必要です。「起きてしまった後は教師に出る幕はない」との最後の言葉が、参加者にずしりと響きました。

続いて、KDDI株式会社CSR・環境推進室担当部長の大久保輝夫氏による「スマホ時代のネットいじめ」の講演がありました。大久保氏は学校裏サイトやネットいじめ問題の対応で全国の学校を飛び回り、指導助言を行っています。スマホを持たせる時に親は子供と使用ルールを取り決め、双方が守ることを前提とすべきであると提案しました。書き込みはいくら匿名であっても追求は可能です。たとえば就職内定後、その種の書き込みの経験があることを調べ出して内定を取り消すことなど、企業はたやすくやってのけるという例は、まさに「情けは人のためならず」(人に善行を施すと、自分に果報が返ってくる)の逆バージョンなのだが、そういったネットの恐ろしさも、あまり認識されていないのが現状であると説きました。

休憩を挟んでフロアーからの質問を受けた後、文教大学情報学部准教授新井立夫先生、本学准教授金馬国晴先生がコメントし、その後グループシェアリングと全体シェアリングが行われました。「べきだ」論などの机上の空論に陥ることなく、外国のケースを日本にあてはめて権威付けする等の安直な方法もとらず、日本の現状に関する様々なデータをふまえた、現実を見据えた講演と討議でした。81名の参加者の大半は教員志望の学生や現職教員で、身近な問題であるだけに、熱心に聞き入り、あるいは議論していました。目から鱗という指摘も多く、これからの活動に良い意味での多大な影響を与えられました。

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