インタビュー・座談会卒業生に聞く、在学生が語る

学内外で子供と触れる機会を多く持てた学生時代

小学校の教員は児童の心の成長に伴走し、自分自身も成長することができる

神奈川県公立小学校教員(2015年度卒・女性・保健体育)

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―小学校教員を目指したきっかけを教えてください。

小学校時代が楽しかったこと、出会った先生が素敵な方だったことがきっかけで「学校の先生」に憧れていました。そんな私が横浜国立大学への進学を意識したのは中学生の時です。通っていた塾の進路相談で「教員になりたいなら横浜国立大学がいい」と講師から薦められたこと、横浜市内にキャンパスがあって自宅から通えることから、大学受験を見据え、まず高校進学の際に横浜国立大学への進学者数が多く、学習と部活動を両立できる学校を調べ、狙いを定めました。

―「教員になってよかった」と思うことを聞かせてください。

1年生から6年生まで幅の広い学年を受け持つことができる小学校の教員は、児童の心の成長に寄り添って深く関われることが大きな魅力です。日々、児童たちと過ごす中でともに学び、私自身も成長できることは、人生を歩む上でも良さがあると実感しています。私は、実は子供の頃から鉄棒の逆上がりも水泳も苦手で、大学で専門領域として所属していた体育科の授業でようやくできるようになりました。そんな私だからこそ、体育が苦手な児童の気持ちを理解できると思っています。ノートに文字が上手に書けた時の児童の笑顔、友達と仲良く話せるようになった児童の姿を見ることができるのは、とても嬉しく何物にも代えがたい価値を感じます。これからも、誰しもが感じる苦手なことに対する気持ちや、それに向き合って克服する喜びを児童たちと一緒に感じながら、私自身も成長していきたいです。

―公立学校の福利厚生や労働環境について聞かせてください。

私は現在1年半の育児休業中で、間もなく復職する予定です。妊娠期間中の検診の際は有給休暇とは別に休暇が取得できる制度が整っていて、とても助かりました。周囲の男性教員も半年以上の育児休暇を取得する方が増えていて、民間企業と比較しても育児への理解は進んでいると感じます。また、報道などで教員の労働環境の大変さを目にすることもありますが、各職場で様々な改革が進んでいますので、今後は改善が期待できると思います。

大学の学びを通して、なりたい教師像が見えてきた

―学生生活で印象に残っていることを教えてください。

大学では、クラス全員で1冊の本を読んで討論したことや、子供一人一人の個性を尊重し、主体的な学びを大切にするイタリア発祥の幼児教育法である「レッジョ・エミリア教育」についての授業を履修したことが特に印象に残っています。こういった大学での授業を通じて「教育って、奥が深いな」と心を動かされ、「私はこうなりたい」と思える教師の像が具体的に見えてきました。また、小学校の実際の授業を見学する機会や、学外での活動で小学生との遊びを企画・運営するサークル「わくわくサタデー」に所属して、子供たちとの楽しい時間を過ごすなど、学生時代から子供と触れ合う経験が多くあったことも、自分のなりたい教師像が鮮やかに見えてきたきっかけとなり、経験してよかったと思っています。

―先生を目指す高校生、教育学部生にメッセージをお願いします。

もし「教員になる自信がない」と感じているなら、それは「自信がない児童・生徒の気持ちが理解できる先生になれる」ということだと思いますので、是非そのような先生を目指してほしいです。先生自身が子供の頃に学校生活を楽しめた人も楽しめなかった人もいるように、色々な経験をした先生が児童・生徒の周りにいるということが学校現場に必要なのではないでしょうか。「教員という仕事は苦労ばかりかもしれない…」と不安になっている人もいらっしゃるかもしれません。人生を歩む上で、教員ほど学び甲斐のある仕事は他にはないと思っています。やればやるほど知りたいことが湧き出て、仕事を通して学んだことを自分自身の生活にも活かすことができます。そして何より、色々な児童・生徒たちと出会え、一緒になって未来をつくっていくことができる素晴らしい仕事です。教師になった皆さんと共に未来をつくっていけることを楽しみにしています。

(2023年3月掲載)

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