インタビュー・座談会卒業生に聞く、在学生が語る

大学で体系的に学んだことは、日々の生徒への実践的な指導に活きている

「担当教科が好き、学校が好き」から教員の道へ

神奈川県公立中学校教員(2013年度卒・男性・英語)

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―中学校教員を目指した理由を教えてください。

その理由は二つあります。一つは担当教科が好きでそれに関する仕事に就きたかったこと、もう一つは中学校・高校時代を楽しく過ごせたことから「学校」という場所が好きだったからです。中でも中学校時代が最も思い出深く、担当教科である外国語を学習し始める大切な時期の中学生(当時は小学校英語の本格的な導入は始まっていませんでした)に教員として関わりたいと思う気持ちもありました。担当教科については「この教科が好きな気持ちは誰も負けない」という自負のようなものがあり、勉強するのもとても好きだったことから将来はその楽しさを誰かに伝えたい、中でも将来社会を担う子供たちに伝えることが私にとって価値のあることと考えました。大学3年次の教育実習では母校の教壇に立ち、素晴らしい生徒たちに巡り会えたことから中学校教員への決意が固まりました。

―部活動の顧問は受け持っていらっしゃいますか?

学生時代から部活動の指導にも憧れがあり、ありがたいことに入職1年目から希望していた部活動の顧問を務めています。部活動の顧問は負の面がクローズアップされることもありますが、私自身は楽しんで取り組んでいます。教室とは異なる生徒たちの一面を見られ、教員としての指導の幅を広げられることに魅力を感じています。

―「教員になってよかった」と思われることを教えてください。

生徒たちの姿が鏡となって、私自身が学ぶ機会が多くあることです。例えば生徒たちは素直な反面、自分の非を認めず言い訳をして逃れようとすることがあります。そんな生徒の行動を真っ向から否定するのではなく、「なぜそのような行動を取ったのか」「そうせざるを得ない環境にあったのではないか」と生徒の立場になり、気持ちを汲む指導をしたと実感できたことがありました。指導の方法への価値観は時代の移り変わりによって変化するもので、決して正解はないので、これからも手探りしつつ生徒たちと共に私も成長したいと考えています。

教員を共に目指した同志たちは生涯の仲間

―進学先に「横浜国立大学」を選んだのはなぜですか。その魅力も教えてください。

教育学部を設置していることから「教育」に力点を置いている印象があり、広大で自然豊かな環境のキャンパスで学生たちが伸び伸びと学修していることが魅力的に映りました。地元神奈川県内にキャンパスがあって通学に便利で、経済的な負担が少ないのも国立大学を目指した理由です。教育学部は教職を目指す同じ志を持った仲間とともに協力して学ぶ点に安心感がありました。大学を卒業後の現在も同級生との交流は続き、時折顔を合わせては日々指導で苦労していることや嬉しかった出来事を報告しあう関係を保っています。職場は異なっていても同じ教員の立場で生涯に渡って助け合える仲間ができたことは本当に心強く、そういった場所を大学が提供してくれることは大きな魅力だと思っています。

―教育学部での学びが今に活きていると感じることを教えてください。

教育現場では担当教科の知識のみでは日々の指導は成り立ちません。児童・生徒の心を理解する方法や一人ひとりへの接し方を幅の広い視点から学べたことは教育学部ならではのことで、職場でも大いに役に立っています。学部の附属中学校(横浜国立大学教育学部附属横浜中学校/鎌倉中学校)をはじめ様々な校種の学校での実習も実践的で貴重な経験になりました。

―先生を目指す高校生、教育学部生にメッセージをお願いします。

未来を担う児童・生徒を育て、指導する教職は将来の社会を形成し大きく貢献できる価値ある仕事だと私は思います。我が国だけでなく世界が抱えている諸問題を解決できるのはつまるところ人間であって、その器が大きければ大きいほど高いレベルでの解決策が見つかります。そんな人間を「教え育てる」仕事が教職です。横浜国立大学教育学部はその教育を体系的に学べる場所です。教育学部から一人でも多く将来に貢献できる人が巣立つことを願っています。

(2023年3月掲載)

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